モノノフからDDへ

ももクロ一筋だったモノノフがDD化していく軌跡を綴ったブログ

アイドルネッサンス 新世界で新たな音の世界に踏み入れるネッサンス!!

基本情報

  • アイドル名:アイドルネッサンス(新井乃亜、石野理子、比嘉奈菜子、南端まいな、宮本茉凜、百岡古宵)
  • 日時:2016年3月23日(水) 開場 18:00~ 開演 18:30
  • 会場:音楽実験室新世界

感想

会場が狭く、前方の40席ほどが椅子席だったこともあり、入場者数は90人弱とかなりの限定イベントとなった。
なので、久々にブログにレポートを残しておこうと思います。

本日の司会はアイドルネッサンスのチーフマネージャーである照井さん。
メンバー登場から、続けてゲストであるタワーレコード代表取締役社長・嶺脇育夫氏と音楽ライター・南波一海氏が登場。
上手側に、まいなちゃん、奈菜子ちゃん、乃亜ちゃん、南波さん、嶺脇社長、下手には、理子ちゃん、古宵ちゃん、茉凜ちゃん、照井さんが座る。

照井さん、
「本日は、この場所にこうして音楽バカが集まって」
とか言い出して、
「お客さんに向かってバカはないですね。多くのMUSIC LOVERSが集まって」
出だしから結構なハイテンションで語るw

本日の主旨である、「ハイエンドな機材でアイドルネッサンスの楽曲を聴いてみる」旨が発表され、プレイヤー、アンプ、イコライザースウェーデン製(プライマー)、スピーカーはイギリス製(モニターオーディオ)、ケーブルはアメリカ製(メートルあたり6万2千円!)、合計で300万円という内容が紹介される。

まいなちゃんが自分の隣にあるスピーカーをなでなでしていたところを理子ちゃんに、
「300万円だよ! 触って壊したらどうするの!」
と咎められていたw

まず最初は、CD音源で今回のアルバムの中から新録の3曲、『ベステンダンク』『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』『STILL LOVE HER(失われた風景)』を聴いてみよう、ということに。

ここからの音源に関する感想は、あくまでも私個人の感想です。

『ベステンダンク』は、まだ音源を聴き始めてから間もないせいもあり、「キレイに聞こえるな」という印象くらいでしたが、『ロングシュート』に関しては音源こそ最近ではあるものの、ライブでは散々聴いてきた曲ということもあり、普段自分が聞こえていない音まで聴こえたのはさすがだなー、と思いました。

メンバーやゲスト陣からも「音がハッキリしている」「低音が凄い」という感想。
理子ちゃんは、「声がいつもよりハッキリと聞こえて、歌い終わりの声とかが聞こえるのはなんか恥ずかしい」と言っていました。

続けて、この3曲をCD音源、MP3音源、ハイレゾ音源を聞き比べてみよう、というコーナーに。
どんな違いがあるのか言葉では説明しにくい、ということでなぜか乃亜ちゃんの写真プリントを持ち出して、解像度の説明をする照井さん。

照井「この写真がCD音源だとすると、ハイレゾはこっちの写真(解像度が細かい)。こっちよりキレイでしょ?」
乃亜「実物よりも可愛くなってるってことですか?」
には爆笑しましたw

なかなか写真でもパッと見では違いがわかりにくかったようですが、照井さんが「ホクロの見え方とか違うでしょ」と説明すると、上手側の3人は「ホントだ! ホクロが! ホクロが!」と大興奮だったものの、下手の3人はやや首傾げモードだったのが対比として面白かったです。

聴き比べの結果としては、当然はMP3<CD<ハイレゾ、となるわけで、その違いはわかるものの、正直私個人は聴き比べてわかるレベルで、どれかひとつだけだったらあんまり違いには気づかないかなあ、というか、そこまでの不満は感じないかなあ、と思いました。
むしろ、普段低音が強調されている音をほとんど聞いていないので、この低音をずっと聞き続けるのは逆につらいんじゃね?とか思ったりもした。まあ、それも慣れなのかもしれませんが。

そういう意味では後ほど南波さんがおっしゃっていましたが「CDの音はバランスが取れていて好き」という言葉には私も賛成でした。
ただまあ、ハイレゾ、もしくはハイエンド環境で聴かなかったら『ロングシュート』が2バスだったことにすら気づけなかったであろう私にとっては新しい発見はあったとしても猫に小判なのかな、とも思いました。

ここでメンバーにハイレゾの感想を聞いてみたところ、まいなちゃんから「キレイに磨いた泥だんご」という名言がw
ステージは爆笑でしたが、会場にはなんとなく言いたいことは伝わっていたような気がします。同じ泥でつくっただんごだけど、丁寧に磨き続けていくと驚くほどの輝きを放ちます。本質的には変わらないものが、手を加えることで良質に変化する、ということをまいなちゃんなりに言いたかったんだと思いますし、まいなちゃんらしい表現だったな、と。

南波さんは、
「聞き比べようとじっと下のほうを見ていたら気づいたんですが、アイドルネッサンスさんの靴って結構汚れてるんですね」
という、音とはまったく関係のない感想をw
「みんな磨り減る場所とかも違うんだなー」
という言葉に対して古宵ちゃんが、
「え? スリーエル(3L)?」
と聴き間違えて爆笑を誘う、というシーンもありましたw

続いて、CD音源、ハイレゾ音源、アナログ音源での聴き比べ、ということで7インチシングルとして発売された『17才』のカップリング、『太陽と心臓』で聞き比べを行います。
ブラスやホーンが多く入るこの曲は、聞き比べに適していましたね。

ここでは、好みが意外に分かれ、ハイレゾ派とアナログ派に。最近アナログにハマっているという嶺脇社長はアナログ盤を気に入っていましたね。
ただ、現在の環境は、レコーディング自体がデジタル環境だから、アナログ盤といっても微妙な気がする、というのは後になって確かであることがわかります。
ちなみにどうでもいいことですが、嶺脇社長は本当にアナログ盤にハマっていて、渋谷のHMVレコードに行くと、結構な割合で社長を見かけます。っていうかライバル会社でレコード漁るくらいなら、自社でやればいいのに、と思うw

個人的にはアナログ盤は、ハイハットの音がとても好みで、こういうシャリシャリした音には向いているのかな、とか思ったりしていました。

理子ちゃんは
「ブレスの音とかもハッキリ聴こえる」
と、やはり音に対しては人一倍敏感なところを見せていて、今日のイベントでは理子ちゃんの耳の良さがよくわかりました。

それと『太陽と心臓』を聞いている間、自分のソロパートが聞こえてくる度にちょっと苦い表情で聞いている茉凜の姿が気になりましたね。
おそらくこの頃の自分の声とか歌い方がまだまだだなーと思いながら聴いていたんじゃないかな、という表情でした。
あ、理子ちゃんは相変わらず自分の声が流れてくるたびに「うひーっ」って感じになってましたけどw

そして、最後にアイドルネッサンスが歌う曲の原曲をアナログ盤で聴いてみよう、ということで、大江千里の『YOU』と原田真二の『タイム・トラベル』のレコードを聴いてみることに。おお、あの『YOU』のジャケット懐かしいよ…レンタルレコード屋で借りたよ…。

で、『YOU』がかかった途端のメンバーの反応の顕著さね。みんな「ハッ!」と目が見開いてました。
まいなちゃんと奈菜子ちゃんはもはや百面相状態w

時代が時代なだけに音が全然違う。イントロのピアノの音とか、とんでもなく無骨なんだけど生っぽい。
続けての『タイム・トラベル』はもっと顕著で、ピアノだけでなくストリングスなども入るので、生演奏感がハンパない。
これは当時の録音環境がアナログで、そのままアナログ盤として残しているために、先ほどの『太陽と心臓』のアナログ盤とは比べ物にならないほどの違いになっているのだと思います。

周囲の友人たちとも話していたんですが、この『タイム・トラベル』のアナログ盤の音は本当に素晴らしかった。
ぶっちゃけ、今日聴いた音源の中では一番美しい音でした。
ただまあ、それもこの日のハイエンドな機材があってこそのもので、自分の家で普通のレコードプレーヤーと安いアンプとスピーカーで聞いてたらそこまでのものになったのかは微妙ですね。

どうでもいいことだけど、古宵ちゃんがずっと原田真二のジャケットを胸に抱いている姿に嫉妬 < 本当にどうでもいい。

あと、照井さんが軽い気持ちで、
原田真二さんの『タイム・トラベル』を当時聴いていた人は?」
とか質問して仕方なく手を挙げたけど、あれは完全に年齢フィルタリングでした。

最後に総括ということで嶺脇社長と南波さんから感想を。
意外だったとはお二人とも、実はアイドルネッサンスの原曲となる曲、特に70年代・80年代の曲をほとんど知らなかった、ということ。
だからこそ、まさしくアイドルネッサンスの「名曲ルネッサンス」がお二人にとっても意味のあることというお話をされていたことですね。
お二人の年代の方でも、そういう出会いがある、というのはまさしくアイドルネッサンスにとっての武器なんだよなあ、と思いました。

ここでいきなり嶺脇社長がアイドルネッサンスのファースト・アルバム『アワー・ソングス』のアナログ盤が欲しい、と言い出す。
で、照井さんにどうですか?と振って、
「枚数がね」
「完全受注生産かな」
「ここにいる人は全員買うよね?」
などという会話がなされて、それを聞いていた理子ちゃんが、
「なんか大人の話してるー!」
と頭抱えてる姿がまた印象的でした。

作るなら曲数(長さ)的にダブルジャケットになるし、結構な価格になりそう。
っていうか、プレーヤー持っていないし。
ジャケットを南波さんが「書こうか?」と言うと「それはダメです」と速攻否定されてたw
ただ、顔のない理子ちゃんの似顔絵(『真夜中のニャーゴ』参照)については、古宵ちゃんが「でもあれ似てた」とポツリと呟いて、それに向かってギロっと睨む理子ちゃんの姿がまたねw

ということで、聞き比べイベントはここまで。
いったん、ゲストもメンバーも全員下がってから、再びメンバー再登場。
ここからはアコースティックライブです。

いつもの配置に並んで、心持ちハの字になって一曲目はセカンドワンマンでもアコースティックで披露した『YOU』。
セカンドワンマンの時にも思いましたが、アイドルネッサンスのメンバーはもう、歌うことだけに集中すれば、ここまで歌えるのか、という驚きというか感動すらおぼえました。

理子ちゃんは言うに及ばず、ツインボーカルの一角を成す乃亜ちゃんはもちろんのこと、まいなちゃん、奈菜子ちゃん、古宵ちゃんといった面々までがここまでしっかり歌えるのは本当に成長の証を見せ付けられた感じです。

残念だったのは茉凜の声の調子がいまひとつだったこと。それでも成長していることはありありと窺えて、特に裏声への変化、もしくは裏声からの変化は見事にこなしていました。今度は万全の調子で聞かせて欲しい。
ただ、「せっかくのステージなのになんで!」と自分に対する憤りを隠さない茉凜のことは結構好きです。

まいなちゃんに至っては歌の上手さだけでなく、声量がどんどん増えてるので、最近ではマイクとの距離の掴み方にちょっとてこずってる(本人はそこまで意識してないみたいだけど)くらいです。リハの時とかでも「あれ? こんなに大きく声が入っちゃう」という顔を何度も見るので、本人は自覚してないのかもしれませんが。

次もセカンドワンマンで発表した『スパイダー』かな、と思っていたら、なんと『初恋』。
曲調としてはアコースティックにピッタリですが、リリースイベントが立て込んでいるこの状況の中で、また新しい曲を増やしてきたことに驚きでした。
アコースティックで聴くと、「ああ、この曲は本当に理子ちゃんが完全に本線なんだなあ」ということがより明確になる。
メインだったりハモだったりで、常に理子ちゃんの声が聞こえている。
二人ずつのパートが多いので、理子ちゃんと誰かが常に歌う組み合わせになるのですが、『初恋』に関しては、理子ちゃんと古宵ちゃんの組み合わせが一番しっくり来た気がしました。声質と曲調の関係でしょうかね。

これで終わりか、それとも『スパイダー』か、と思っていたら、古宵ちゃんから
「今回は、この曲をアコースティックで挑戦してみました」
という振りからの、『恋する感覚』。

ビックリでしょ。まさかアコースティックで『恋する感覚』聴くなんて1ミリたりとも予想してなかったもん。
それがまた、とてもいいんですよ。ビックリするくらいによかった。
皆さん感想で言ってましたが、古宵ちゃん、乃亜ちゃんの「きゅるり」とか最高でした。

ただ、自分が一番しびれたのは、
「そう気づいたら もう遅かった」
「どう思ってるの 私のこと」
などのパートの「そう」「どう」という部分ですね。ハッキリと歌うのではなく、息を吐き出す感じで聴こえる「そう」「どう」のささやき。
アコースティックだからこそ、クラップもなく、バックに音もない状況でだからこそできる歌い方だし、それを聴けたことに感動しました。

リリースイベントの合間、それも遠征から戻ってきてすぐという状況の中での彼女たちのチャレンジ。
常に課題を設けて、観客には新しい驚きと成長を見せようとしてくれる運営の素晴らしさも含めて感動させられました。

ファーストアルバムのリリースだけでなく、アイドルネッサンスはまたひとつ新たな武器を増やしたな、と思わせてくれるイベントでしたし、同時に、ファンのためだけでなく、メンバーにも貴重な経験をさせようという意図が見えるイベントでした。

イベントの質が質だけに観客数はしぼられてしまいましたが、お見送り会で奈菜子ちゃんに、
アコースティックはまたすぐにでも聴きたいね、と言ったら、
なっこ「毎月でもやりたいです!」
と喜んだ後に続けて、
なっこ「もっと多くの人にも聴いてもらいたいです。今日来れなかった人もいるし」
と、この場に来れなかったファンのことまで慮んばかるのがなっこだなあ、と思いつつ、ここの運営なら、こういう言葉もきっと拾ってくれるに違いない、と思ったりもしました。

お見送り会の順番は、今まで持っていたイヤホン、ヘッドホンが多い順。
古宵ちゃん→まいなちゃん→乃亜ちゃん→理子ちゃん→奈菜子ちゃん→茉凜ちゃん
でした。

セットリスト

1. YOU
2. 初恋
3. 恋する感覚

※すべてアコースティック
ピアノ:炭竃智弘、ギター:園木理人

諸情報

  • チケット:2,500円(モバイルネッサンス会員限定)
  • 座席:前方着座(4列目中央やや上手寄り)
  • 特典会:お見送り会(古宵ちゃん、まいなちゃん、乃亜ちゃん、理子ちゃん、奈菜子ちゃん、茉凜ちゃん)

その他所感

ハイレゾがいいことは実感したけど、自分はそこまでの環境は現時点では求めてないな、ということもわかったので、自分にとってもいい機会でした。

それと、歌うことに集中すればここまで歌える、というのを考えた時、「歌って、踊る」ということの意味についてもいろいろと考えてしまったことも事実です。
それはまた、別の機会があればダラダラと語るかもしれません。

 

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